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【第159回】改めて読み直したシルバーバーチの霊訓 7巻/9章「悩み多きインド」

NHKテレビ「100分de名著」に紹介された「ガンディー・獄中からの手紙」を読んで、潮文社の「シルバーバーチの霊訓」7巻・9章─「悩み多きインド」を改めて読み直してみました。

そこには“インドが暗黒の世界になった原因”について書かれていますが、驚くことにその原因は、イギリスの占領支配にあるのではなく、幾世紀にもわたって勝手にこしらえてきた信仰に縛られてきたことと、そこに神性と絶対力があると思ってきたことだと書かれています。
「インドは過去に蒔いたタネ(間違った信仰というタネ)を今刈り取っているところ」というのがシルバーバーチの見解なのです。

「宇宙は原因結果の法則によって支配されていることを知ってください!」とシルバーバーチが言っている通り、この世の現象のすべては過去のことが原因になって引き起こされていますが、それでもなお私には疑問が残ります。

なぜなら私にはどうしても、暗黒の原因が“占領支配”ではなく“間違った信仰”にあるとは思えないからです。また当時のインドの人々もそう思っていたようですが、それについてシルバーバーチはこう述べています。

「一国家による占領支配が取り除かれても、それで民族に自由がもたらされることにはならない。
自由というのは苦労した末に手にすべきものであって、自分の力で勝ち取らねばならない。そのための革命がイエス以来ずっと個人の力で成就されてきた」と。

“うーん、なるほどーー”と思います。
なぜなら霊界が霊的真理を降ろしてくれた目的の一つは、真理に基づく“正しい信仰”を人類に持たせ、それによって人類自らが霊的・精神的・肉体的に自由になることだからです。

つまり“自由”とは、“正しい信仰”によって人類自らが勝ち取っていくものということです。

さらにシルバーバーチは次のような深い見解を述べています。

「間違った教義の隷属状態から解放されれば、インドは教義の違いやカーストを超えて民族は兄弟関係にあると認識でき、そのとき民族を隷属させてきた支配者も権力者もいなくなる。
また、そのときには民族は自らの努力で勝ち得た自由を駆使できる段階に達している」と。

全くその通りだと思います!!勝ち得た自由を駆使するには、それを駆使できる段階に達していなければならないのです。

ああ!自由を手にし、それを駆使するのは何と大変なことでしょう。でも大丈夫……
霊的真理が降ろされた以上、必ずや人類は真理に基づく正しい信仰によって自由を勝ち取り、同時にその自由を駆使できる段階にまで霊的成長するはずです。

それにしても“占領支配”ではなく“間違った宗教教義”が暗黒の原因とは驚きですが、間違った宗教教義が人間の魂を束縛して自由を奪うことを考えると納得できます。魂はいついかなるときも自由であるべきで、自由を駆使してこそ人間は霊的成長できるのです。

最後にシルバーバーチの言葉を引用します。

(インドのような)あれほどの宗教国家において、あれほどの暗黒が存在するとは、なんという矛盾でしょう!
あれだけの裕福な階級がある一方で、あれほどの貧民階級が存在するとは、なんという矛盾でしょう!
(シルバーバーチの霊訓7/169)
やはり因果律が絶対的要素です。今現在あるものはすべて、かつてあったものの結果です。
(シルバーバーチの霊訓8/183)
(スピリチュアリズムの)最大の貢献は、大霊の子等にいろんな意味での自由をもたらすことです。
(最高の福音/155)


2017年04月17日