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【第78回】 地上人生の位置と意義について思うこと地上人生の位置と意義について思うこと
霊として無窮の過去から存在していた私達は、今は人間的形態に宿り地上生活を送っていますが、いずれ地上界とも別れ霊界で霊としての本格的生活を始めます。この全人類がたどる進化の道程を簡略化すると、【霊(a) → 物質+霊(b)→ 霊(c)】となります。始めの霊(a)には自我意識も個別性もありません。霊は物質(人間的形態)と結びついて始めて自我意識・個別性を持つことになります。
自我意識と個別性を持った霊(b)は、やがて赴く霊界での生活に備えて物質界で万全の準備を整えます。その期間はわずか100年足らずの短いものですが、霊にとって掛け替えのない貴重な場であり期間です。
一定期間を地上界で過ごした霊は、肉体を脱ぎ捨て霊界へと旅立っていきます。そこから霊(c)としての本格的歩みが始まります。
そして今私達は、肉体を携えた霊(b)として地上界で多種多様の困難苦難に遭遇し、それを克服しながら霊界への準備を整えている最中です。
霊界への準備は、地上界への何回かの誕生(再生)により、より強固により万全なものになります。再生の度に違うパーソナリティーを発現させることで、より多くの地上体験を積み、それがインディビジュアリティーを成長させ霊界への準備が整うのです。
その地上人生をシルバーバーチは次のように言っています。
地上人生はある人にとっては託児所であり、ある人にとっては学校であり、ある人にとってはトレーニング・センターです。いろいろな事態に直面し、それを克服しようと四苦八苦するところに意義があるのです。
霊的成長レベルが異なる者が同一平面上に暮らす地上界は、霊的資質を磨くのに最適な場なのです。自分より進化が進んだ者もいれば、遅れた者もいる……それが霊的成長を促すことになるのです。(新たなる啓示/69ページ)
虚栄心や傲慢さ、不寛容性などの不純物を取り除き、愛の不足を補い、慈悲心や寛容心、協調性や奉仕性を養うには、霊的成長度の異なる人がいる方が良いのです。我慢を強いられ忍耐を強要され、苦しさに喘ぎつつも自分を律していく、そうした中で霊性が磨かれ成長していくのです。
つまり霊界への準備には、霊・肉の闘い(霊的意識と本能的意識の闘い)と、霊的成長度の異なる人との協調生活(利他愛の発露)が不可欠ということです。それがのちの霊界生活の基礎になるばかりか、永遠に続く霊性進化の基盤になるのです。
残り少ない地上人生ですが、いえ残り少ない地上人生だからこそ、精一杯準備に励みたいと思います。
シルバーバーチの言葉です。
真の幸福というものは、今より少しでも高いものを目指して努力するところにあるからです。
2009年08月15日(シルバーバーチは語る/323ページ)