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【第4回】 全人類は霊的家族 - 2

コラム第3回で、「肉体の絆はこの世限りの、一時的なものに過ぎない事を理解した」と書きましたが、私がそこに至るまでには多くの時間を要しました。

なぜなら私は、神の愛とは程遠い家族愛を気高い愛だと思い込んでいたからです。家族に抱く愛情を真実の愛だと思っていたので、霊的家族愛など考えたこともなく、肉体次元の愛で満足していたのです。

それは家庭(家族)を持ったことが一因になっていると思います。家族を持たなければ、神と同じとはいかないまでも、もう少し程度の高い愛を求めていたかもしれない。神はなぜ私たちに家族を持たせ、程度の低い愛を体験させるのか。とても疑問に思いました。

がそれは、愛の訓練のためなのです。肉体の絆で結ばれた家族は、無条件に愛せます。家族愛は本能的愛ではありますが、それだけに家族を守ろうという強い愛が持てます。家族のためならと犠牲や奉仕の精神、家族だから許そうと寛容の心、家族と共に頑張ろうという協調性、これらを養い発現するために家族は必要なのです。

楽に愛せる家族で神性を発現し、それをより広い外向的愛に応用させていくのが、家族を持った意味であり、神の属性を発現する訓練場として家庭は重要なのです。

が、その一番の問題はシルバーバーチが言っているように、「家族愛は往々にして排他性を帯びる」ことです。
家族愛が人類愛へと発展していけば何の問題もないのですが、その排他性ゆえに自分や自分の家族さえ良ければそれで良いという偏狭な考えに陥りやすいのです。

こうした偏狭な考えは神性を発現させるどころか、利己性を増強させ、その結果他人や他の家族はどうなっても構わないということになりがちです。

そうならないためにどうしたらよいかとなれば、人間は霊的存在であり、人類は霊的絆で結ばれた霊的家族だと心から得心することですが、そのために私は、「肉体は地上での衣服にすぎない」というシルバーバーチの言葉を発展させて、肉体を単なる宇宙服に見立ててみました。

人類が他の惑星に行くには宇宙服を着なければなりませんが、それと同じように人間の霊が地球に来るには、肉体という宇宙服を着ると考えたのです。つまり肉体は地球に滞在するための宇宙服ということです。

宇宙服ですから地球を去る時は、当然いらなくなるので脱ぎ捨てます。そう考えることで肉体に必要以上のこだわりを持つことがなくなりました。

それに伴い、家族とは宇宙服の製造元が同じであるに過ぎないと思えるようになり、必要以上の絆を感じることがなくなりました。それよりも、霊的成長する仲間として尊重するようになりました。

また、肉体の製造元が同じ者同士が集まって同じ屋根の下で暮らしている家族一人一人を、神の子として大切に思い、サポートしあうことが、家庭や家族を持つ意味だと理解するようになりました。

つまり家族として固まるのではなく、互いの自由を尊び合い、互いが霊的成長できるよう助け合うということです。

私達は近い将来誰もが、霊界にいくことになります。自分も家族も、ブッシュ大統領も金正日総書記も残らず行きます。
そこでは家族も国家も民族もありません。私たちを隔絶していたものは全て取り払われ、霊として素っ裸になります。

また霊的親和性が無ければ家族とも離れ離れになります。しかし離れ離れになっても同じ宇宙に存在し、神の子であることに変わりはないので寂しいことはありません。

こうして私は、家族とは肉体の絆で結ばれてはいるものの、地上で一時的にチームを組んでいる仲間にすぎない。しかしそこでの愛の学びは人類愛の基礎になる。ということを理解しました。

「貴方のご家族は、何人ですか」と聞かれたら、即座に「63億人です」と答えられるまでには未だ至っていませんが、少なくとも家族という小さな枠を取り払うことはできました。

霊界の導きの下に、今日も霊的家族の一員として、全人類への奉仕と普及に励んで参ります。

2004年09月16日