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【第26回】 ニューズレターの中で感じた二つの疑問

ニューズレターの内容は「厳しい」、「ハードルが高い」と人はよく言います。私も読み始めの頃はそう思いました。私の場合は、ニューズレターの内容と自分の心の有りようが余りにも違っていたからですが、余りの違いに読むのが辛くなることもありました。

しかし今では、ニューズレターがなければ、あの膨大な量の霊的真理のアウトラインを掴むことはできなかった、と思い感謝しています。今の私にとって、ニューズレターは霊的真理を効率よく学ぶ手引き書になっています。だからと言ってニューズレターの内容の全てが理解できているわけではありません。
これも又、私の霊的真理の理解度が浅いせいであり、もっと学んでいけば理解できると思って楽しみにしています。

さて、その中でも特に理解できなかったのが「マザー・テレサとボランティア」「性欲」の二つに関することでした。
まずは「マザー・テレサとボランティア」についてですが、世界中の人々は偉業を成し遂げたマザー・テレサが大好きですし尊敬しています。それは私とて同じです。

だからこそ、一緒になってマザー・テレサを褒め称え共感し合いたいのに、ニューズレターはマザー・テレサよりもっと真理の普及の方が人助けになると言っています。始めの頃はそれが理解できなかったのですが、真理を学ぶ内にその見解は正しいと思うようになりました。

ニューズレターは、マザー・テレサや一般のボランティアの働きを認めていないわけではありません。価値がないと言っているわけでもありません。人助けならどんな仕事も尊いけれど、中でも最高の人助けは霊的救いであり、その普及に携わることはこの世の最高の人助けになると言っているのです。

滅私で献身的な働きをしたマザー・テレサは勿論のこと、一般のボランティアの活動も尊いことに変わりはありませんが、根源的な人助けの方法、即ち霊的な救済の方法を知った者が、真理の普及をせずに一般のボランティアと同じように肉体次元の人助けをしていたら、それは真理を知った者としての義務を怠ることになると言っているのです。

例えば飢餓の人を救う場合、魚を釣ってあげる方法と、釣竿を渡して自分で魚が釣れるようにしてあげる方法とがあります。どちらも人助けに違いはありませんが、根源的な救いになるのは後者です。
真理の普及はそれと同じく根源的な救いになるということなのです。(もっともこの例の場合は、どちらも肉体次元の救いにしかなりませんが…)

要するに「マザー・テレサがしたような、物的援助や救済をしなくてはならない人や状況を、生み出さない世の中を作っていく」、それが重要なのです。
そのためには、人類一人ひとりが霊主で利他的な思いに、自分自身の心を変えなくてはなりません。そのために霊的真理の普及がぜひとも必要です。

それを普及する仕事はマザー・テレサ以上の人助けになる。だから共に頑張りましょう、とニューズレターは呼びかけているのです。私が理解できなかったのは、ただ単に真理の理解が不十分なだけでした。

もう一つ理解できなかったのは「性欲」についてです。
動物と違い繁殖期が決められていない人間には、一年中性的欲求がありますが、欲望のままに行動していいというわけではないと思います。ニューズレターでは性欲を自制することの大切さを説いていますが、神はどう思って人間に繁殖期を決めなかったのでしょう。

動物には発情期があることと、人間に自由意志が与えられていることを考え合わせると、人間は自分の意志で性欲を抑制する存在として作られているように思います。様々な欲望の中でも特に自制が難しく、人間を堕落させてしまうのが性欲ですが、それを自らの意志で抑制することで霊的成長していけるのではないかと思います。

「性欲は神が与えたものなのだから、抑制するのはおかしい。禁欲させる位なら、動物と同じように神は人間にも繁殖期を決めたはず」という意見に、一理あると思ったこともありましたが、これだと自由意志が与えられている意味がなくなります。繁殖期が決められていれば、性の乱れや性的堕落もない代わりに、自制による成長もありません。

神が人間に自由意志を与えてくれたのは、人間一人ひとりの意志を尊重してのことですから、私達人類は性欲だけでなく、欲望の全てを自分の意志でコントロールし、霊主の状態に持っていくことが課せられているのです。神による規制でなしに、自らの意志で抑制するところに成長があるのだと思います。

こう考えることでニューズレター10号の「清らかさを求めての自己克己の歩み・性欲との闘い」という内容が理解できるようになりました。生身の人間ですから闘いに敗れることもあるでしょう。しかし、諦めずに闘うことに意義がありその道程を「霊性進化の道」と言うのだと思います。
これからも真理を正しく理解する努力をしていきたいと思います。

2005年09月15日