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【第156回】霊性教育について考えたこと

少し前の話になりますが、8月の埼玉河川敷の少年殺害事件や高畑敦子さんの謝罪会見から私が痛感したのは、育児・教育の難しさです。

その若者達が両親や親族から祝福されて地上世界に誕生してきたのは高々15年〜20年前のことです。なのに、なぜこうなってしまうのか?その間に何があったのか?

再生霊ならば前世があるので、それが成長とともに表出してきたのか?それとも育児・教育のせいなのか?

幼少期には誰もが無邪気で愛らしかったのに、「なぜ?どうして?」と考えても出ない答を求めてしまいます。

もちろん幼少期の愛らしさは神の摂理によるのであり、その愛らしさが親の養育意欲を湧かせます。

私も2人の子供を喜びの中で出産し育ててきましたが、子供は親の思い通りには育ちません。それに“親の思い”というのも真理を知らなければ摂理に適いませんが、それについて「思想3─霊性教育」にはこう書かれています。

「霊的真理に沿った人間に育てる手段が育児・教育であり、親や教師になるための最低条件は、霊的真理を知っていること」だと。

まったくその通りだと思います。ただ真理が行き渡っていない現状では、育児や教育も、この世の物的価値観の影響を受けます。もちろん私もその影響下で2人の子供を育児・教育してきました。

にもかかわらず、2人の子供は成人後に霊的真理と出合い、今は不完全ながらも霊的人生を歩んでいます。
私にしても霊性教育を受けたわけでもないのに、人生の半ばを過ぎて霊的真理と出合い、曲がりなりにも霊的人生を歩んでいます。

それはどういうことなのか?物的価値観しか知らなかった私達母子がなぜ真理と出合えたのか?

それは地上界に誕生する際に「真理と出合う!」と計画・決意してきたことと、真理を受け入れる時期にきていたからでしょうが、それより何より霊界からの強力な働きかけがあったからだと私は確信します。

なぜなら霊界で計画・決意してきても、地上界に誕生した途端に忘れてしまうのが人間だからです。それゆえ霊界は懸命に働きかけて思い出させるのです。

こうした霊界の懸命な働きかけによって霊的人生を歩む人が増えるに連れ、地上界には真理が浸透していきます。

その結果、霊的真理は人類の常識となり、それに伴い霊性教育が地上界に広がっていきます。子供は生まれたときから、神を敬愛する環境の中で霊的存在者として養育されます。どの家庭も霊中心に営まれ、親や教師から霊性教育を受けて育ちます。

そもそも神の分霊を宿した子供を、霊的真理のない中で育てること自体が無理なのです。無謀なのです。人間の本質である“霊の部分”を養育しない育児・教育など意味がないからです。

それほど霊性教育は人間にとって重要ですが、その前にすべきは真理の普及です。

霊的真理が普及されての霊性教育であり、真理を知った私達は自分の子供の育児・教育に霊的真理を活かすとともに、真理が少しでも早く普及されるよう努めなくてはならないのです。

霊界の強力な働きかけがある以上、真理は確実に普及され、霊性教育が当たり前の世界が実現するのは確実です。それがどれほど遠い未来であっても、その実現に向けて最大限努力し続けたいと思います。

2016年10月17日