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【第15回】 「シルバーバーチは語る」第四章「明日の世界」を学ぶ
当会では、同志が月一回集まって共に霊的真理を学んでいますが、物質次元の生活に溺れてしまいがちな心を、霊的に清め、霊的意識を呼び戻す大きな力になっていることを感じます。過日の読書会では、第四章「明日の世界」を学びました。
現在の地上は、地獄のような惨状にあり、どこから手をつけ解決していけばよいのかと考えあぐねてしまいます。霊訓を学んでいる者でさえ、心ならずも動揺するところですが「明日の世界」を学んだら、何も心配する事はないんだと少し思えるようになりました。今回はそこから学んだ事、考えた事について述べます。
「明日の世界」とは、スピリチュアリズムによって地上人類が霊的に目覚め、霊的真理が全ての指導理念になる世界ですが、それは人類一人ひとりが霊的真理を理解し、摂理に沿ってそれぞれが生きる努力をした時に初めて実現する世界です。
その世界には、新しい人類、すなわち新人類が現われます。新人類にとって、真理は人生全ての指針であり、その通りに生きようとします。新しいタイプの人生観を持ち、恒久的な幸せや霊的な喜びを求めます。死を悲しむ事もなく不幸もない、誰もが素直になって生きられる世界は、笑顔と明るい笑い声が満ち溢れています。
こうした理想郷のような世界は現実とあまりにもかけ離れているので、本当に実現するのだろうかと否定的な思いが湧きます。しかしシルバーバーチは「必ず実現する、しかもそれはもうすぐだ」と言っています。
シルバーバーチが言う「もうすぐ」とは400〜500年も先の事ですから遥かに遠い事のように思えますが、人類誕生以来の永い時の流れを考えると、それは確かに「もうすぐ」のようにも思えてきます。
しかしその半面、霊的夜明けを迎えたばかりの惑星地球が、わずか500年程度で加速度的な霊的飛躍が可能なのだろうかという疑問も湧いてきます。
様々な思いが交錯しますが、霊界の緻密な計画の下で進められている地球浄化の大事業ですから、心配には当たらないのでしょう。しかしその前に「産みの苦しみを地球レベルで体験しなければならない」とシルバーバーチは言っています。何事も誕生には産みの苦しみを伴うものであり、新しい世界の誕生もその例外ではなく、苦しみの中から生まれて来ると言うのです。
人類が積み上げてきた悪弊を取り除き、間違った概念を取り壊す際の苦しみは、全人類で受けていくしかありません。産みの苦しみがなければ新しい霊的世界は来ないのですから乗り越えるほかありません。しかも今はその真っ只中にあり、新しい世界の誕生が間近かになればなるほど苦しみは増大すると言っています。
今でも十分に苦しいのに、今後さらに苦しみが増大するとなれば、ますます絶望的になります。しかしいくら絶望的に見えても「心配しないでいい、新しい世界は間違いなくやってくる」とシルバーバーチは断言しています。そう断言するには根拠があるのです。シルバーバーチは他の高級霊と共に地球の未来像を見ています。そして見たもの全てを語ってくれています。それは私たちが見たも同然です。あとは信じて力を尽くすのみです。
新しい世界を実現する為のポイントは以下の4つです。
- まずそれを行うのは、霊界の高級霊たち(霊界主導)
- 地上においては、霊性に目覚めた者たち(地上人は霊界に協力する立場、つまり霊界の道具に徹する)
- 1と2の双方が力を合わせて地上天国を築いていく(霊界と地上の二人三脚)
- 一人ひとりが真理を実践する事によって成し遂げられる(実現は四、五百年後)
こうして間違いなく新しい世界へと変わっていきます。今の地上の惨状を霊的観点から見れば、心配する事は何もなくただ人間だけが不安に思っているのです。
霊界でも地上が危機的状況にあり苦難の最中にある事は分かっていますが、産みの苦しみは、生まれる前ぶれとしての苦しみとして当然のこととして捉えています。霊界と地上では、こうも見方が違うのです。霊界は楽天的、人類は押し並べて悲観的です。
しかもこの霊訓が編纂されて五十年以上経っているので、地上に蒔かれた種子はすでに根付き、さらに芽が出てどんどん成長していると言っています。それでも心配しそうなスピリチュアリストに対して、次のように述べています。
確かに今の地球は今まで体験した事がないほどの壊滅的、危機的な状況ではあるけれども、それを絶望的な時と考えるのか、いや、そうではなく産みの苦しみの時と考えるのかが重要であり、多くの人が絶望的であると考えたとしても、真理を知った者はそうであってはならないと言っています。ですから真理を知った私達スピリチュアリストは、何も心配してはならないのです。
「私の目には、ゆっくりとではありますが、大霊の摂理が地上界に具現しつつあるのが見えます」というシルバーバーチの言葉に励まされ、奮起して前に進もうと思います。
何百年か先には、私たちが今実践しよう・信仰しようとしている事が当たり前の時代が来ますが、そのためには、私たちスピリチュアリストが時期の来た一人ひとりに真理を届けなくてはなりません。
さらに、真理に忠実なスピリチュアリスト、真剣に実践しようとする本物のスピリチュアリストがどんどん増えていかなくてはなりません。
確かに以前に比べれば、霊的な関心を持つ人は多くなりました。真理を手にする人も増えました。が、しかし真理を手にしても実践しようとする人は多くありません。本物の実践者・ハイレベルスピリチュアリストの存在は重要かつ不可欠です。
ここで一念発起して、真理を忠実に実践する本物のスピリチュアリストを目指して頑張りたいと思います。
シルバーバーチが明日の世界の到来を約束してくれているのに、スピリチュアリストが不安を抱くようでは道具として失格です。不正に対しては果敢に挑み、惨状や苦しみには真理を柱にめげず恐れずさらりとやり過ごすだけの強さと大らかさを持ちたいと思います。
全てを委ねて、ただひたすら高級霊の道具として働いていきたいと思います。霊的世界の実現に向けて、明るく楽しく精一杯力を尽くして参りたいと思います。
2005年03月03日