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【第57回】 霊界と地上界の“邪悪、葛藤、悩み”の違い
今回は「シルバーバーチの霊訓3」から、霊界と地上界の“邪悪、葛藤、悩み”の違いについて考えたことをお話したいと思います。■ 邪悪について
シルバーバーチは、「霊界に邪悪は存在しないが、地上には、人間の利己主義によって生み出される邪悪と、人間の未熟性から生まれる邪悪の2種類が存在する」と言っています。
「霊界に邪悪は存在しない」ということからまず思うのは、霊界人は肉体がないのに、地上人にはあることです。となると、いかにも肉体が邪悪の原因?のように思えてきます。
がしかし、肉体がなければ地上に存在できませんし、地上生活の意義は、肉体の重さを克服しながら魂を成長させることにあるので肉体は必要です。
こうしたことから、肉体が邪悪を生み出すのではなく、肉体の重さに負けること(肉主霊従)が邪悪の原因なのだと思いました。
■ 葛藤について
シルバーバーチは、「霊界にも葛藤はあるが、葛藤の内容が地上とは異なる」と言っています。
「霊界の葛藤」は、低い霊性をより高めんとする“霊的な葛藤”であるのに対し、「地上の葛藤」は“霊と肉の内面的な葛藤”です。
また霊界の葛藤は、霊的成長を為すための葛藤なので永遠に続きますが、地上の葛藤は、肉体の死と共に無くなる葛藤です。
ここで、シルバーバーチが葛藤の意義について述べている箇所を抜粋します。
人間は、低い段階から高い段階へ向けて成長しようとする進化性をもった存在です。進化するためには光明へ向けての絶え間ない葛藤がなければなりません。その場合の葛藤は成長のための必須の過程の一つであるわけです。
“霊肉の葛藤”はもとより、霊界人と同じように“より高い世界に向けての葛藤”をしていきたいと思いました。(シルバーバーチの霊訓3/182ページ)
■ 悩みについて
シルバーバーチは「霊界にも悩みはあるが、霊界の悩みは、魂が自分の進歩に不満を覚えたことの現われであり、地上人の悩みとは違う」という主旨のことを述べています。
確かに地上人の悩みの多くは地上的・物質的なものです。一見内面的・精神的な悩みに思えることでも、元を質していくと地上的・物質的なことが原因になっています。
このことから、地上の悩みは肉体があることによって生じる悩みであり、霊界人のような霊本来の悩み(霊的成長に向けての悩み)でないことが分かりました。
そこで悩みが生じたときは、それが地上的・物質的な悩みなのか、霊本来の悩みなのかを見極めて、地上的・物質的な悩みであれば直ぐに手放したいと思いました。
以上3つの事柄から確認したのは、
- 肉体を持つことの重さ
- 霊主肉従で暮らすことの重要性
不必要な悩みや葛藤をせずに霊を主にして生きていきたいと思います。
追記
シルバーバーチは、「霊界に邪悪は存在しない」と言いつつ、別のところでは、霊界も地上とよく似たところで邪悪はあると言っています。
そこで私は、霊界でも地上に近い幽界には邪悪はある…がしかし、それは霊界全体から見たらごく僅かなので、霊界に邪悪はないと言っているのだと思っています。
2007年11月15日