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【第9回】 霊的無知が作り出す地球の惨状

10月にイラクで日本人が拘束された事件は残念な結果となり、日本中に深い悲しみをもたらしました。人質事件が起きるたびに世界中の人々は恐怖と不安にかられ、やり切れない思いになります。霊訓を知っている者でさえ絶望感に襲われそうになります。時すでに遅しで何をやっても無駄なのではないか、と思ってしまうこともあります。

そうした思いが生まれる原因は、同胞であるはずの私たち人類がいつまでも仲良くできず、それどころか事態は悪化しているような印象を受けるからです。

主義主張が違っても、私たちは大霊を親とする兄弟姉妹であり霊的家族です。お互い霊的成長のために地上にやって来た霊的仲間なのです。真理を理解すれば血を流さなくて済むのです。

ですからこうした悲しい出来事に遭遇したときこそ、シルバーバーチの言葉を思い起こして乗り切りたいと思います。
人類は霊的知識を身につけて初めて、待ち受けている喜びを味わうことができるのです。あらゆる苦しみから教訓を学び取り、地上世界がたとえ絶望だらけに思われても神の意思は必ず成就されること、その遠大な目的を挫折させるほどの力をもったものは地上には存在しないことを確信してください。
(中略)
霊的知識さえあれば、一滴も血を流さずに、一人の命も失わずに、全ての問題が解決できるはずです。
(スピリチュアリズムによる霊性進化の道しるべ/70ページ)
この箇所を読んでは絶望感を払拭していますが、それでも今回のような事件が起きるとすぐに絶望を感じるのは、信仰が足りないのだと思います。

シルバーバーチは霊訓の中で、「自分達は奇跡を起こすことはできないが、摂理の働きを知っているから、どんな困難に遭遇しても絶望感など一欠片もなく自信に満ちて人類救済の仕事に励んでいる」と言っています。

シルバーバーチが確信しているのと同じくらい摂理の完璧性が実感できたなら、私もどんな状況になっても絶望感を持たず常に自信に満ちて人生を切り開いていく事ができると思います。摂理を知っている事と摂理の完璧性に満腔の信頼をよせる事とは違うことがはっきりと分かりました。

人質殺害の一報を耳にした瞬間私は、「こんな野蛮な地球になんていられない、さっさと帰ろう」と思い、「なぜこんな野蛮な所に来てしまったのだろう」と思い、「もう嫌だ、いくら真理を普及したところで追いつかない」と思ったのは、人間の未熟性、残虐性の方が真理普及より上回ると思ってしまったからです。

がそれこそが未熟な考えであり、私の摂理への信頼度の低さであり、真理の理解の不足なのです。
心を揺るがすことがない限り、摂理の完璧性をどこまで信頼しているのかがはっきりしませんが、こうした時には明確になります。

どんなに残虐な行為も、大霊の計画が成就されないほどの影響力や破壊力は人類にはない、とシルバーバーチが言っているのですから、シルバーバーチに習い摂理への絶対的信頼を持つと同時に、それを実生活に活かして磐石不動な心を養いたいと思います。

最後にシルバーバーチの言葉を引用います。
国家とか民族で差別してはいけません。いずれの国家も民族も大霊の一部なのです。みな大霊の眼から見れば兄弟であり姉妹なのです。こうした私達の教えは単純で子供騙しのように思えるかもしれませんが、やはり真実です。大霊の摂理を基盤としているからです。摂理を無視して地上界を築こうとしても、混乱と騒動が起きるばかりです。

よほどの犠牲的努力が為されない限り地上界はこれからも戦争が絶えないでしょう。人類はそうなるタネを蒔いて来ており、蒔いたタネは人類自らの手で刈り取らねばなりません。原因と結果の法則は絶対にごまかせないのです。物的欲望のタネを蒔いておいて、その結果を免れようとしても、それは許されません。愛が欲しければ愛のタネを蒔く事です。平和がほしければ平和のタネを蒔く事です。至るところに奉仕のタネを蒔けば、地上世界は奉仕の精神に溢れることでしょう。大霊の真理はこのように単純なのです。あまりに単純過ぎるために却って地上の「お偉い方々」にはその重大性がお分かりにならないのです。
(シルバーバーチは語る/297ページ)
2004年12月02日