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【第33回】 最近の事件から思うこと

ヒューザーやライブドア、東横インなど世間を騒がせている最近の事件から見えてくるのは、拝金と物質主義それと利己主義です。シルバーバーチは地上の二つのガンとして利己主義と物質主義をあげていますが、まさにその通りだと思います。

それにしても、こうした人達は有り余るほどのお金を持っていながら、なぜこうもお金を欲しがるのでしょう。お金を沢山持っている人が最もお金を欲しがっているように思います。
そりゃ、私だってお金は大事だと思いますが、お金そのものが欲しいわけではありません。この世で生きていくために必要なものだからです。もし、お金がなくても肉体を維持できるのであれば、また日々の生活が営めるのであればお金はいりません。お金とはそういうものだと思います。
とはいえ、その程度のお金にも困る人がいるのも事実で、そうした現状は人類皆で是正していかなければならない大きな問題だと思います。

この世には、ただの通貨に過ぎないお金の収集を(お金を貯め込むことを)、人生の目的にしている人もいれば、お金があれば何でもできる、何でも手に入ると思っている人もいるようですが、それがもし仮に事実だとしても、それはあくまでこの世にいる僅か100年足らずのことであり、あの世では通用しません。

それは、お金自体に霊的な価値がないからですが、霊的な価値がないお金に人生を懸けることほど虚しいことはありません。また、永遠の生命を考えたとき、これほどばかばかしくて割りが合わないことはないと思います。

お金のことから思い出すのは、小学校の授業でやった模擬社会の体験です。
その授業の目的は、子供達に実社会の仕組みを体験させることにありますから、学校内に銀行や商店などの模擬社会を設定し、子供達はそこで銀行員や商店主になって働いてお金を得る仕組みです。
そのお金は校外では使えませんが、校内の商店なら買い物もできれば貯金することもできます。が、しかしいくら貯めたところで一般社会では通用しない通貨です。

こうした学校の中でしか使えないお金と、この世で持てはやされているお金とが、私にはリンクして見えるのです。地球という限られた場所でしか使えないこの世のお金は、まさに子供達の校内通貨と同じです。
私達地上人は、こうした真実でないものに日々翻弄され、真の通貨の何たるかを知らずにいます。

シルバーバーチは、あの世までも通用する真の通貨は、人の役に立つことをする以外に手に入らないと繰り返し私達に呼びかけています。そして人の役に立てば立つほど豊かになるとも言っています。

ですからあの世の大富豪とは、滅私になって多くの人の役に立つことですが、こうした考えは今の地上人の考えと余りにもかけ離れており、摂理を知っていなければ理解できるものではありません。いえ、摂理を知っていても社会の風潮である拝金主義に流されれば、実践することはできません。
あの世を見据えて、余程の覚悟を持って、自分に挑まない限り、真の通貨を手にすることはできないと私は思います。

私は時に、自分の心の中にある霊の通貨の預金通帳を見てみるのですが、現在の預金高はゼロに近い状態なので、これから一大奮起して、霊の通貨を少しでも多く貯めてからあの世に帰りたいと思います。
そうすれば、私の帰りを待つ類魂も喜んでくれるでしょう。なぜなら、地球に霊の通貨を手に入れるために(霊的成長のために)、出稼ぎに出かけた私が、どれほどの霊の通貨を持って帰ってくるか、楽しみに待っているからです。

精一杯、人のお役に立って霊の通貨を沢山持って、類魂のもとに帰還したいと思います。

シルバーバーチの言葉です。
私達もあなた方も皆、大霊への奉仕者です。その点は同じです。ただ私達は進化の道程においてあなた方よりも少しばかり先を歩んでおります。そこでその旅先で学んだ知識と叡智を教えてあげるべく舞い戻ってきたのです。奉仕、即ちお互いがお互いのために自分を役立てるというのが、生命原理の鉄則だからです。奉仕精神のないところには荒廃あるのみです。奉仕精神のあるところには平和と幸せが生まれます。
地上界は、互いに奉仕し合うことによって成り立つような生活形態を目指さないといけません。
(シルバーバーチは語る/147ページ)
2006年02月16日