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【第66回】 “私利私欲”は、人間の心に潜むモンスター?

今回はシルバーバーチの次の言葉から、“私利私欲”について考えて参ります。
地上世界の厄介な問題、および霊界の下層界の問題のすべてが、さまざまな形での利己主義、強欲、貪欲などの私利私欲によって惹き起こされているというふうに考えればよろしい。原因はそれしかありません。
(霊性進化の道しるべ/215ページ)
シルバーバーチは、地上界と霊界下層の問題の全ては私利私欲が原因である、と言い切っています。それは、死んで肉体がなくなっても、直ぐには私利私欲が消えるわけではないことを示唆しています。
すなわち、地上時代を私利私欲で生きた者は、私利私欲の意識を持ったままの状態で霊界入りするということですが、その様子をシミュレーションするだけで恥ずかしさが湧いてきます。そんな惨めな霊界入りはしたくないと思います。

そこで、今もし、「無私無欲になって清らかに生きるのは、霊界(幽界)へ行ってからでも遅くない」と思っている人がいるとしたら、それは無理だとお伝えしたいと思います。地上生活で心に深く沁み付いた本能的思い・私利私欲は、そう簡単に拭い去れるものではないからです。
だからこそ、シルバーバーチは、「霊的真理に則った生活(滅私で利他的生き方)をしなさい」と言っているのです。その重要性を説いているのです。そうでなければ、こんなに口を酸っぱくして言うはずがありません。
霊的真理に則った無私無欲の利他的生き方は、魂を清め、意志力を強化し、霊の資質を向上(霊的成長)させます。

人間は広大な宇宙から見れば小さな小さな存在ですが、その小さな存在である人間の心に潜む私利私欲は、地球の気温を上昇させ(地球温暖化)、地球環境を悪化させ(生態系の破壊)、悲劇や不幸を生み出し(戦争や飢餓)、霊界下層にまで悪影響を与えるモンスターです。

そのモンスターは、誰の心にも存在し、そして私達にささやきかけます。
「あれも欲しい、これも欲しい、もっと欲しい」と……
「自分だけよけりゃ、それでいいのだ」と……
留まることを知らない人々の利己主義、強欲、貪欲を止めることができるのは、真理の普及しかないと私は思います。

私利私欲で生きて得なことは何もありません。善いこともありません。それどころか、魂を傷つけ霊的成長を妨げます。
つまり私利私欲は一番損な生き方ということです。それに対し、無私無欲の利他的生き方は一番得する生き方です。
その重大な事実を一人でも多くの地上人に知っていただくために、真理普及に一層の努力をして参ります。

2008年08月15日