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【第20回】 「シルバーバーチは語る」第二章「交霊会の目的」を学ぶ - 2

先回に続きスピリチュアリズムの定義について述べていきます。
  1. スピリチュアリズムとは、これまでの物質文明・物質中心世界を改め、霊的真理に基ずく霊中心の文明に作り直そうとする、人類史上初めての大計画である。

    物質文明はここ100年の間にめざましい発展を遂げ、人類は科学技術の勝利としてそれを誇りに思っています。しかしそれらは霊界から見れば瓦礫も同然であり、今日の物質文明はすでに破滅の状態にあります。
    こうした物質文明に代わり、霊中心の文明に作り直そうとするのが、他でもないスピリチュアリズムです。

    このような霊中心の世界の実現は願ってもないことです。霊的な穏やかな生活、明るい笑い声の響く毎日の暮らしは、どんなにか心和むことでしょう。想像するだけで喜びが湧いてきます。
    それに引きかえ今日の地上世界は騒がしいだけで明るさがありません。心からの感動や喜びを味わうことは滅多にありません。

    人々は物欲と利己主義の虜になり、物質的に豊かになることが幸せになることだと錯覚しています。
    本当の幸せ・本当の豊かさはそうしたものからは得られないのに、必要以上に物を所有する人がいます。

    しかしその一方で生活の必需品に事欠く人もいます。有り過ぎるのも無さ過ぎるのも公平の摂理からずれていますし、どちらも霊的成長にとってよい環境ではありません。
    物欲支配の物質文明は、人間の愚かさの象徴ですが、それを取り壊し霊中心の世界に変えていくのはスピリチュアリズムを措いて他にないのです。
    霊中心の文明が織り成す美しい利他主義の世界の構築は、私たちスピリチュアリストの手に掛かっているのです。


  2. スピリチュアリズムとは、地球上から人種差別・民族差別を完全になくすための活動である。

    スピリチュアリズムは人種問題解決の最終的切り札であり、スピリチュアリズム以外に地球上の人種差別を根本的に解決する手立てはありません。

    差別の原因は、地上人の霊性が低く他の民族を霊的視点で見ることが出来ないためですが、しかしどんな人種や民族であろうと私たちは生物分類上同じホモサピエンスです。ましてや、本質である霊には人種も民族もありません。

    大きな違いは肌の色と言葉の違いですが、肌の色の違いは民族衣装の違いのようなものであり、単なる外形上の問題に過ぎません。言葉の違いは伝えるすべが違うだけで、本質である霊は同じ神の分霊である以上、思考も感情も同じであって当然です。
    神は意図するところがあって肌の色の違う様々な肉体を用意されたのです。そうでなければ全人類を同じ色にしたでしょう。今の私たちに神の真意は理解できませんが、必ずや深い意味があると思います。

    ここで少し肉体について考えてみます。
    肉体は、地上に誕生するにあたり神が授けてくれた霊の入れ物です。神は一人ひとりの霊的成長に最も適している入れ物を選んで与えて下さいます。
    私は、今生、黄色人種・日本人としての肉体を与えられました。それは今回の私の再生人生に最も適していると霊的な判断がなされた結果ですが、しかし黒人や白人として生まれる可能性が全くなかったわけではありません。つまり私が日本人であるのは、摂理上必要であったにしても、絶対的なことではないということです。誰もが今とは違う人種や民族に生まれる可能性があったのです。

    私たちの肉体は自分のものではありません。神から授けられたものであり、神は差別するために肌の色を違えたのではありません。なのにそれを差別の対象にしている人類は、呆れるほど愚かで無知な者たちです。
    差別する根拠がないことに、いつまでもこだわる幼稚な考えはもういい加減にやめて、全人類が本当の意味での大人になる時期が来ています。

    シルバーバーチは、霊的視点から見ると全ての民族が混ざり合い調和しつつあるのが分かる、地上天国が近づきつつあるのが分かると言っています。シルバーバーチには全人類が霊的な大人になる日が見えているのです。

    ここで少し差別問題を拡大して動物愛護と肉食に触れます。
    世間に数ある動物愛護団体の活動を間違っているとは思いませんが、人類に対する平等意識がないところでは、その活動の意味は半減してしまいます。
    まずは同胞である人類への差別意識を取り除くことが先決です。肉食を止められない地上人が、真から動物を愛護するとは思えませんし、またその資格もないように思います。が徐々にではあっても、真理普及と共に地上から肉食が消えると思います。


  3. スピリチュアリズムとは、霊界の高級霊の真の利他愛によって進められている救済プロジェクトである。

    ここには高級霊による地上人類への願い、愛の思いが述べられています。スピリチュアリズムを支える高級霊たちの心は、純粋な利他愛と犠牲的奉仕的精神で占められています。

    無明から光明へと人類を救い出そうという高級霊の熱い思いは、利他愛の深さの象徴と言えます。
    真理を求め続けてきた私が、今では真理を普及する側に回り、価値ある地上人生を歩むチャンスが与えらたのも高級霊の利他愛の恩恵に浴した結果であろうと思います。


  4. スピリチュアリズムとは、この世の幸せ、物質的な幸せを与えようとするものではなく、霊的幸福・あの世に持っていける霊的宝を与えようとするプロジェクトであり救済活動である。

    死後の世界があることを知らない地上人は、いずれはチリと化す刹那的なものに永遠と幸福を求めるという過ちを犯しています。真実を知ろうとしない地上人に対して、高級霊は本当に価値ある恒久的な幸せ・霊的な幸せを得させようと心を砕いています。こうした高級霊の地上人への愛の思いは次の3つに整理されます。
    • 物に捉われない、霊中心の生き方をさせたい。

    • 利他愛中心の、美しい世界に住まわせたい。

    • 霊的成長という、最高の宝を地上で得させてあげたい。

地上人生は僅か100年足らずですが、死後に続く霊界での生活に備える大切な場です。
その貴重な地上人生を、物質的な豊かさを求めることばかりに費やすなら、生まれて来た意味がなくなります。霊的な成長どころかマイナスを作って霊界に赴くことにもなりかねません。

そうした状態から地上人を救い出し、人類に物質的な幸せよりも、恒久的な霊的幸せを最優先して与えようというのがスピリチュアリズムです。

シルバーバーチは伝道はスピリチュアリストの義務であり摂理であると言っていますが、真理によって霊的な救いを得た者であるなら、それを人々に伝えていきたいと思うのは当然のことです。
もし真理に出合いながらも普及しないで自分だけにとどめているなら、スピリチュアリズムの真髄である利他主義に相反する利己的行為をしていることになります。

伝道は究極の利他愛ですから、私たちスピリチュアリストは、真理を普及しながら最高の利他愛を実践していることになります。まして高級霊と心を一つにして最高の奉仕活動ができるのですから、これ以上幸せなことはありません。
シルバーバーチが私たちに慈しみの心で霊的真理を説いてくれたように、私も慈しみの心で人々に霊的真理を伝えていきたいと思います。

2005年05月19日