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【第1回】 シルバーバーチの霊訓に出会えた事は人生最大の幸運

シルバーバーチの霊訓に出会えた事は、宝くじの三億円に当選するよりも何十倍も何百倍も幸運な出来事です。
それは地上限りのものと、霊界にまで続くものとの違いです。どんなに大きかろうと地上の宝は、一時的なものでしかありません。私たちはその幸運をどのくらい実感しているのでしょう。

この春、オウム真理教に関する裁判の判決が下りましたが、その影響を受けて多くのメディアが、サリン事件の実行犯に焦点をあてて特別番組を組んでいました。

その中で、私は林郁夫被告の生い立ちから犯行に至るまでの道程を知り、「なぜ殺人を犯したのか」という無念の思いで胸がつぶれそうになりました。

林被告は、以前大学病院の勤務医でした。彼は子供の頃から、人の役に立つ事や人を救う仕事に就きたいと願っており、小学校から中学校・高校・大学と彼の半生を振り返る中で、周囲の友人や恩師は一様に彼を絶賛していました。

医師を志したのも、病気の人を救いたいという気持ちからだったようです。
しかし勤務医になって数年、人の命を助けたい一心で懸命に治療を施しても患者が死亡してしまう事に、彼は医療の力の限界を感じ絶望します。

そして、肉体の救済に見切りをつけて、その奥にある魂の救済に向かいます。それがオウム真理教に入信したきっかけでした。

私は番組を見ながら、臨床の現場で肉体を救う事の限界を味わった彼の絶望的な思いは、分からないわけではないし、魂の救済をしたいという心情も理解できると思いました。

しかし、その救済活動をする場所として、なぜオウム真理教を選択したのかという点には疑問を感じました。なぜオウムの教義に疑いを持たなかったのか、不思議でなりませんでした。

すべての財産を処分してオウム真理教に入信し、そこに自分の人生をかける前に、彼は彼の理性に問うべきだったと思います。

シルバーバーチは「神が人間に与えた理性を存分に使いなさい」と繰り返し繰り返し述べています。
シルバーバーチは、自分が語る言葉をただ信じて受け入れるのではなく、理性でよく吟味するように言っています。そして理性が反発するものは拒否しなさいとも言っています。

私たちには、神から与えられた理性を存分に使って物事の善悪を判断する力が備わっています。
自分の身の回りの小さな出来事や社会に起こる出来事は、すべて自分の理性を頼りに判断し、ほんの僅かでも疑わしいところがあれば受け入れないという姿勢を常に持つ事が必要です。宗教においては、特にそれが顕著です。

魂の足枷となり、魂を牢獄に閉じ込める教義に対しては、なおさら理性をもって判断すべきです。大霊の摂理に照合して、相反している訓えは明らかに間違っているのですから。

林被告が理性を働かせるチャンスは、入信した後でも幾らでもあったはずです。なぜ彼は理性を働かす事ができなかったのでしょうか。

それは、彼が正しい真理を知らなかったためだと思います。正しい真理を知らない人は、林被告以外にも数多く存在します。今もってなお、彼と同じようにオウム真理教(現在はアーレフ)に入信する人が後を絶たないのはこのためです。

こうした現実を見るにつけ、正しい真理の普及の必要性を感じないわけにはいられません。

彼は極刑を免れました。その時、彼は「死ぬ事も許されないのですね」と弁護団に語ったそうですが、この発言からも彼が正しい真理を知らない事が分かります。

彼が求め続けた魂の救済活動は、霊界による真理普及という形で始まっている事を獄中の彼に知らせたいと、私は強く思いました。

「正しい救済のあり方、神の摂理を知って欲しい。そして願わくばシルバーバーチの霊訓やニューズレターを何とかして届けたい」と、私は心の底から思ったのです。被害者も加害者も共に救われなければ辛すぎます。共に救済されてこそ、進歩した社会・成熟した社会と言えるのです。

番組終了後、獄中の林被告にシルバーバーチの霊訓やニューズレターを届けたい気持ちが募るばかりでしたが、その一方で気おくれしてしばらく実行に移せずにいました。

ところがある時、心の道場に私の心の内を聞いて頂いたところ、すでにそうした活動をしているとのお返事を頂きました。それも、ごく当たり前の事のようにおっしゃいました。驚きと感激が交錯する中、境のない同胞意識と真理普及の実践のあり方を学びました。ただし、検閲があるので本人に届いているかどうかは分からないとの事でしたが…。

私は一気に肩の荷がおりて安堵しました。

魂の救済を求め続けてきた点において林被告と私は同じですが、導かれた先が余りにも違っていました。幸運にも、私は紆余曲折しながらも最後にシルバーバーチの霊訓に辿りつきましたが、未だに出会えなくて苦しい日々を送っている人が数多くいます。

こうした人々のためにも、心の道場を見習って境のない同胞意識に立ち、一人でも多くの「時の来た人」に真理を届けたいと思います。今後は真理の普及を柱にして、人生を駆け抜けたいと思っています。


コラムはシルバーバーチの霊訓を学んで、実践した体験や考えた事等をおりまぜて載せていく予定です。
更新は毎月15日を予定しています。

2004年08月29日